「MBTIでは16タイプに分かれるって言うけど、その根拠は何?」
「外向型とか思考型って、具体的にどういう心理プロセスなの?」
こうした疑問を深掘りすると、必ず辿り着くのがユング心理学です。
スイスの精神科医**カール・グスタフ・ユング(C. G. Jung)**が1921年に提唱した「タイプ論」は、**MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)**の基盤となっています。さらに近年では、MBTIの理解を深めるために「8つの認知機能(認知プロセス)」という考え方が活発に語られるようになりました。
本記事では、ユング心理学とMBTIのつながりを歴史的視点や専門用語の解説、そして事例や図表を使いつつ徹底的に紐解きます。さらに、8つの認知機能(Se, Si, Ne, Ni, Te, Ti, Fe, Fi)が各タイプにどう影響するかも取り上げ、**「なぜ同じMBTIタイプでも人によって微妙に違う?」**という疑問に迫ります。

1. ユング心理学とMBTI:概要と歴史のかかわり
1-1. カール・グスタフ・ユングのタイプ論(『Psychological Types』)
スイスの精神科医カール・グスタフ・ユング(1875-1961)は、精神分析で有名なフロイトの弟子筋でしたが、のちに独自の理論を展開。1921年に刊行された大著『Psychologische Typen』(英語名:Psychological Types)では、**人間の心的エネルギーが向かう方向(外向/内向)**と、**世界を認知・判断する機能(感覚/直観/思考/感情)の組み合わせに注目しました。
ユングがここで説いたのは、「人々はそれぞれ異なる心理的態度や認知機能を主に使っている」**という考え方であり、それがMBTIの基礎となります。
1-2. ブリッグス母娘がユング理論を応用した経緯
- 記事1・記事2でも触れたとおり、Katherine Cook Briggs(キャサリン)と娘のIsabel Briggs Myers(イザベル)は、ユングのタイプ論に強く影響を受けてMBTIを開発しました。
- ユング理論はあくまで学術的・哲学的色彩が強かったため、日常的に「自分はどのタイプ?」とわかるレベルの使いやすい質問紙を整備するには、母娘による独自の工夫が必要でした。
1-3. ユング理論の“3軸”とMBTIの“4軸”との違い
ユングは主に**「外向/内向」「感覚/直観」「思考/感情」の3軸を論じました。一方、MBTIではこれに「判断/知覚(J/P)」**という4番目の軸が加えられています。
- J/P軸は、ブリッグス母娘が「人は結論を早く出したいのか、それとも柔軟に動きたいのか?」という違いを重要と考え、独自に付け加えたもの。
- MBTIの16タイプは、ユングの3軸だけでは12タイプにしかならないため、この追加によってより細かな違いを説明できるようになったのです。
2. ユングのタイプ論を理解する3つのキーワード
2-1. 外向(Extraversion)と内向(Introversion)
ユングが提唱したもっとも有名な概念が、外向/内向という軸です。
- 外向型:心的エネルギー(リビドー)が外部世界へ向かい、人との関わりや外の刺激から元気を得る。社交性が高いとは限らないが、他者との交流を通じて自己を確立する。
- 内向型:心的エネルギーが内面世界へ向かい、自分の深い思考や感情を重視する。一人の時間で充電しやすく、外の刺激は時に負担となる。
MBTIでは「E(Extraversion)」または「I(Introversion)」として表し、E/Iがどちらに寄っているかを最初の軸に据えています。
2-2. 4つの心理機能(思考・感情・感覚・直観)
ユングは世界を認知し、判断する4つの機能を提示しました。
- 思考(Thinking)
- 論理的・客観的に物事を判断する機能。
- MBTIでは“T”に該当し、論理性や分析を重視する態度と関連。
- 感情(Feeling)
- 人間関係や価値観、主観的な感情を基準に判断する機能。
- MBTIの“F”に相当し、共感や調和を重んじる傾向を示す。
- 感覚(Sensing)
- 五感を通じて得られる具体的事実を重視。現実的・実務的思考。
- MBTIでは“S”で、データや経験則を尊ぶ姿勢に繋がる。
- 直観(Intuition)
- 無意識的な洞察や可能性のビジョンをつかむ機能。
- MBTIの“N”に対応し、抽象概念や未来予測を得意とする。
MBTIのS/N、T/Fは、ユングのこれら4機能をそれぞれ2パターンずつにまとめている形です。
2-3. 意識と無意識:主機能・劣等機能の考え方
ユングの理論では、**意識的に最も発達した機能を「主機能(Dominant)」と呼び、逆に未発達で無意識下に抑圧されている機能を「劣等機能(Inferior)」**と捉えます。
- 例えば、INTP(MBTI)では「思考(T)」が主機能に近く、感情(F)は劣等機能として扱われがち。
- ユングは、この**“補償関係”**(主機能と劣等機能がバランスを取り合う仕組み)が、人間の発達と心理的成長に大きく関わると主張しました。
3. 8つの認知機能(Cognitive Functions)とは?
近年、MBTIユーザーの間で特に注目されているのが、8つの認知機能という考え方です。これはユングが示した**4機能 ×(内向 or 外向)**の組み合わせを、より具体的に説明したモデルとして知られています。
3-1. 内向的思考(Ti) / 外向的思考(Te)
- 内向的思考(Ti)
- 自分の内面に論理体系を構築し、一貫性を重視する。
- データや常識より、「自分で納得できる」ことが重要。
- INTPや ISTPの主機能・補助機能になることが多い。
- 外向的思考(Te)
- 客観的な基準やデータに基づき、効率性・成果を重視。
- 他者にも論理的アプローチを求め、タスク管理が得意。
- INTJや ENTJの補助機能、または主機能になる場合あり。
3-2. 内向的感情(Fi) / 外向的感情(Fe)
- 内向的感情(Fi)
- 個人的な価値観や感情を深く掘り下げる。
- 自分の「好き・嫌い」に忠実で、周囲の評価よりも内なる基準を優先。
- INFPや ISFPの主機能・補助機能として多い。
- 外向的感情(Fe)
- 他者の感情や社会的な調和を重視し、共感・サポートを優先。
- 周りの雰囲気に敏感で、場を盛り上げるリーダー役になることも。
- ESFJや ENFJの主機能に多く、また補助機能としても使われる。
3-3. 内向的感覚(Si) / 外向的感覚(Se)
- 内向的感覚(Si)
- 自身の過去経験や五感の記憶を重視。慣れた方法を繰り返し安全にこなす。
- 「一度成功したやり方を守る」「経験を活かして対処」などの行動パターンが目立つ。
- ISTJや ISFJの主機能・補助機能として多い。
- 外向的感覚(Se)
- “今この瞬間”の感覚や刺激をダイレクトに受け取り、行動へ移す。
- スリルやダイナミックな体験を求め、物理的な世界で瞬発力を発揮。
- ESTPや ESFPで主機能・補助機能になることがよく見られる。
3-4. 内向的直観(Ni) / 外向的直観(Ne)
- 内向的直観(Ni)
- 深い洞察やシンボル、抽象的概念を自分の内面で組み立てる。
- “未来を見通す”ようなビジョンや直感が鋭く、“啓示”的なひらめきが特徴。
- INTJや INFJで主機能になることが一般的。
- 外向的直観(Ne)
- 外部世界からアイデアをどんどん拾い、多彩な可能性を連想して発想を広げる。
- “拡散思考”が得意で、一度に多くのアイデアを思いつくが収束が苦手な場合も。
- ENTPや ENFPで主機能・補助機能として現れることが多い。
4. MBTIタイプと“機能スタック”の関係
4-1. 主機能(Dominant)、補助機能(Auxiliary)、第3機能(Tertiary)、劣等機能(Inferior)
MBTIタイプにはそれぞれ**「機能スタック(Function Stack)」**が存在すると言われます。
- 主機能(Dominant):最も強く意識的に使う機能。
- 補助機能(Auxiliary):主機能をサポートし、バランスを取る。
- 第3機能(Tertiary):ある程度は使えるが、発達度合いがまだ中程度。
- 劣等機能(Inferior):無意識下にあり、使いこなすのが苦手 or ストレス要因。
たとえばINTJの場合、
- 主機能:内向的直観(Ni)
- 補助機能:外向的思考(Te)
- 第3機能:内向的感情(Fi)
- 劣等機能:外向的感覚(Se)
…という構造を持つとされ、INTJの特徴的な**“戦略的思考”や“ビジョン追求”**はNi+Teの組み合わせが大きく影響している、という説明がされます。
4-2. 同じタイプでも機能発達の度合いで個人差が出る理由
「自分はINTJだけど、みんなが言うほどNiが強い気がしない」「ENFPだけどNeよりFiが強く感じる」といった疑問を抱く人も多いはず。それは、
- 機能スタックの成長段階は人によって大きく異なる
- 環境や学習経験によって第3機能や劣等機能が鍛えられるケースもある
ためです。つまり、同じMBTIタイプでも機能発達の順番や成熟度は違い、そこに個性の幅が生まれます。
4-3. 「建築家(INTJ)」「主人公(ENFJ)」などの裏にある機能スタック例
MBTI公式の呼称(16Personalitiesなど)の例:
- INTJ:建築家(Architect) → Ni(内向的直観)が土台にあるからこそ、複雑な概念を組み立てる“建築”的思考が可能
- ENFJ:主人公(Protagonist) → Fe(外向的感情)が主となり、多くの人を巻き込み鼓舞するリーダー像につながる
このようにタイプ名のイメージは、機能スタックが生む心理パターンから来ていると考えると納得しやすいでしょう。
5. なぜ8つの認知機能が注目されるのか:具体例・実生活への応用
5-1. “INTPだけどFeが発達している人”ってどんな感じ?
MBTIだとINTPは「論理重視で社交性や共感が苦手」とされがちですが、認知機能的に見ると、第4機能(劣等)に**外向的感情(Fe)**が位置しているケースが多い。
- 通常はあまり得意ではないFeを、仕事や生活で強く鍛えれば、それなりに使いこなせるようになる。
- 結果、「論理的にものを考えるけれど、人間関係にも十分配慮してリーダーシップを発揮するINTP」が生まれる可能性もある。
5-2. 過剰な劣等機能の発動によるストレスや“シャドウ”の捉え方
ユング心理学では、無意識下にある劣等機能がストレス状態で暴走すると、普段の自分らしさが失われる“シャドウ状態”に陥ると言います。
- 例えばENTPは「外向的直観(Ne)」が主機能ですが、極度の疲労時には劣等のSi(内向的感覚)が急に表れ、過去の嫌な思い出に囚われて衝動的に落ち込む…といった現象があり得る。
- こうした理解があれば、自分や周囲がストレス下で性格が変わったようになる理由を説明できるかもしれません。
5-3. コミュニケーション改善・キャリア選択での活用ヒント
- コミュニケーション改善: 相手が「Fe中心」か「Fi中心」かで、感情を表現するスタイルが違うため、どこに配慮すればよいかが明確になる。
- キャリア選択: Se(外向的感覚)が強い人は現場でのアクションが得意、Ni(内向的直観)が強い人は長期的戦略に適性がある…など、認知機能を参考に仕事選びをする例が増えています。
6. MBTIとユング理論への批判・論争:認知機能は科学的か?
6-1. 専門家による「測定困難」「再テスト信頼性の問題」の指摘
8つの認知機能はあくまで理論モデルであり、客観的に数値化しにくいという批判があります。
- 「内向的思考(Ti)をどの程度使っているか」を正確に測定するのは難しい。
- 再テストで機能スタックが変わる可能性もあり、**学術的には“主観的な自己認識のフレーム”**と捉えられることが多い。
6-2. 8つの認知機能はあくまで“理論モデル”か?
一部のMBTI研究コミュニティでは、「8つの認知機能こそが本質であり、MBTIの4文字表記は表面的」と熱狂的に支持される一方、公式MBTI機関は必ずしも8機能理論を全面的に採用しているわけではないという事実もあります。
- 公式的には「MBTIの有用性は16タイプ分けにあり、それ以上の詳細はファシリテーターの判断に委ねる」というスタンスが強い。
- 8機能理論は、ユーザーコミュニティで独自発展した面が大きい、と評されることも。
6-3. ビッグファイブとの比較:主観的体験 vs 統計データ
ビッグファイブは、大規模因子分析から抽出された性格次元(外向性・神経症傾向・誠実性・協調性・開放性)で、心理学界の主流。これに対してMBTIの認知機能モデルは**「体感的・直感的」**な側面が強いと言えます。
- 研究者の中には「ビッグファイブの方が信頼性・妥当性に優れる」としてMBTIを敬遠する人も少なくありません。
- しかし、「自分の内面を言い表すのにビッグファイブの数値化は味気ない」という理由で、ユーザーがMBTIや認知機能を好むケースもある。ここには**“主観重視”か“客観重視”**かという発想の違いがあるわけです。
7. ユング理論が生まれた背景:フロイトとの決別と独自の探求
MBTIを深めるうえでは、ユングがどのようにタイプ論に至ったかも知っておくと面白いでしょう。
7-1. フロイトからの影響、そして“リビドー”概念の対立
ユングは精神分析の創始者フロイトの弟子・後継者と目されていましたが、リビドー(精神的エネルギー)の解釈をめぐり対立し、決別しました。
- フロイト: リビドーを主に性的エネルギーと捉え、人の行動を無意識的性衝動の表れと考える。
- ユング: リビドーはより広義の心理的エネルギーで、人間の創造性や精神的成長の源泉になり得る、と解釈。
この対立が、ユングが**「外向・内向」**というエネルギーの向きを重視する理論へ進むきっかけにもなりました。
7-2. ユングが「外向/内向」に着目した深層心理学的理由
ユングは、臨床の中で**「全く正反対の性格を持つ患者」を数多く目にし、「どうしてこんなに違うのか」を解明するために着目したのが内向/外向**でした。
- ある患者は常に内面の世界に沈潜しているが、別の患者は外の世界に積極的に働きかける。
- ここに一種の**“軸”**があると考え、さらに情報を扱う「感覚/直観」と判断を行う「思考/感情」の4機能を組み合わせることで、人間の性格差を理論化しようと試みたのです。
7-3. 人類学・神話学との結びつき:元型とタイプ論の発展
ユングはフロイトと別れた後、人類学・神話学の研究にも没頭しました。人類共通の**“元型(Archetype)”や“集合的無意識”**の存在を説き、タイプ論をさらに深遠な領域へと拡張。
- こうした壮大な構想の中で、性格タイプの違いは、単なる行動様式の差を越えて、「心の深層構造や歴史的・神話的なシンボルの受け取り方にも現れる」とユングは考えていました。
- MBTIは、一般ユーザー向けにその“入り口”だけを抜き出したとも言えます。
8. これからのMBTIと認知機能研究:展望と可能性
8-1. 脳科学やAIとの連携:認知スタイルを解き明かす試み
近年、脳科学やAIによるテキスト分析を用いて、「人の認知スタイルや思考パターンを客観的に捉えよう」という研究が進んでいます。
- fMRI(機能的磁気共鳴画像法)で脳活動を観察し、外向型や内向型で活動パターンが異なるか検証する試み。
- 大量のSNS投稿データをAIが解析し、“Ne型の発話パターン”などを統計的に抽出しようとする研究も一部で行われているとか。
こうしたアプローチが進めば、“認知機能”の存在がより客観的に示されるかもしれません。
8-2. 組織・教育現場での“多様性”活用と認知機能の役割
ダイバーシティや多様性の重要性が叫ばれる現代、MBTIや認知機能理論を「組織内コミュニケーション」や「リーダーシップ開発」に利用する例が増えています。
- 外向型ばかりのチームにあえて内向型を配置し、深い熟考やリスク管理を担当させる
- Se型(外向的感覚)とNi型(内向的直観)を組み合わせることで、**“今”と“未来”**の両面をカバーするビジネス戦略を組む
このように「認知スタイルの違い」を意識的に組み込む動きは、今後さらに拡大する可能性があります。
8-3. ユング理論の普遍性:人間の自己探求は続く
ユングが目指したのは、**「人間の心がいかに多様で、かつ潜在的に統合を目指すか」**という深いテーマの解明でした。MBTIはその一部をツール化したに過ぎません。
現代でも、「自分の内面を探る」「他者とどう違うかを理解する」という欲求は普遍的。この先、どんなにAI技術や科学が進もうと、人間の自己探求の旅は終わらないでしょう。ユング理論は、その旅に多くのヒントを与え続けると考えられます。
9. まとめ:ユング心理学を知るとMBTIがもっと面白くなる
MBTIを「ただ16タイプに分けるだけのテスト」と見なすか、そこにユングの深遠な心理学理論が潜んでいると意識して触れるかでは、大きな違いがあります。
- ユング理論を知ると、MBTIの4軸(E/I, S/N, T/F, J/P)が何を意味し、なぜそう整理されているのかが一段とクリアに。
- 8つの認知機能に目を向けると、同じタイプでも人それぞれ機能発達の度合いが違う理由や、ストレス下での“シャドウ機能”発動などが説明しやすくなります。
- ユングの元型理論や集合的無意識との関連まで掘り下げると、MBTIが単なる自己分析ツールを超えて**「人間全体を捉える壮大な視点」**に接続していることに気づかされるかもしれません。
最終的に大切なのは、**「自分は何型だからこうする」という固定観念ではなく、「自分の認知機能や無意識の動きはどうなっている?」**と探究する姿勢でしょう。
ユングが言うように、人間の心は意識と無意識が絶えず相互作用しており、タイプ分けはその入り口に過ぎません。そこから先の深い世界を覗いてみると、MBTIがもっと面白く、奥行きあるツールになるに違いありません。
10. 参考文献・関連リソース
- C.G. Jung, Psychological Types, Princeton University Press(1921)
- ユングによる原著。外向/内向・4機能の理論を深く掘り下げたい人向け。
- Isabel Briggs Myers, Gifts Differing: Understanding Personality Type, CPP Inc.
- MBTIの公式書籍。ユング理論との関連性も記述。
- Dario Nardi, Neuroscience of Personality(Radiance House, 2011)
- fMRIなどの研究をもとに、認知機能と脳活動を関連付けて解説する興味深い内容。
- Lenore Thomson, Personality Type: An Owner’s Manual(Shambhala, 1998)
- 8つの認知機能理論をわかりやすく紹介。MBTIコミュニティで定評のある本。
- The Myers & Briggs Foundation: 公式サイト
- ユング理論との歴史的経緯を含め、MBTI全般の基本情報を網羅。
- 16Personalities: 診断サイト
- ユング理論のベースをポップに翻訳した無料診断サイト。8機能の概説は少なめ。
【あとがき】
ユングが描いた**「タイプ論」は、フロイトの研究を継承しつつも、「人間の意識と無意識、そして世界との関わり方」を大きく変える可能性を秘めていました。
MBTIは、その理論の一部を日常生活で使いやすい形にリファインしたものと言えます。さらに、認知機能という視点を取り入れることで、「あの人はなぜこの場面でこう動くのか?」**といった行動の裏側を読み解く楽しみが広がるでしょう。
結局は、数値化しにくい領域であるがゆえに、MBTIとユング理論には批判や論争が絶えません。しかし、それでもなお世界中の人々が興味を持ち続けるのは、「自分や他者を深く理解したい」という根源的な欲求と直結しているからではないでしょうか。
ぜひ本記事を参考に、MBTIの枠を超えてユングの原典や8つの認知機能モデルに触れ、“心の奥行き”を感じてみてください。きっと、今までより一段とMBTIが生き生きとしたツールに見えてくるはずです。
